眼鏡を作る時、度数を眼科で合わせている人も多いと思います。
しかし眼鏡処方箋を眼科でもらったにもかかわらず、メガネ店で度数を変えたいと希望をする人も多いのが現状です。
眼鏡処方箋をメガネ店で出して、度数の変更をお願いすると、ほとんどのメガネ店は断ります。
「処方箋の度数はメガネ店では変える事ができません」と言われた事がある人も多いかと思います。
今回は1級眼鏡作製技能士の私ローシーが意外と知らない眼鏡処方箋について解説いたします。
目次
メガネ店が眼鏡処方箋の度数を変える事はできるのか?
眼鏡店のスタッフが眼科処方箋の度数を変える事はできません。しかし、処方箋とは別の度数で販売する事はできます。
多くのメガネ店スタッフさんは眼鏡処方箋を一度出されるとメガネ店は処方箋どおりにしかメガネを作ってはいけないと思っている事が多いです。
実際、私自身もそう思っていた時期があります。
記載された眼鏡処方箋の度数を書き換えると文書偽造などにつながる恐れがありますからいけませんが、処方箋の度数で作らなくても法的には問題ないのです。
多くのメガネ店スタッフの人は法的に問題があると思ってお客様のご要望を断っている場合があります。実は私もメガネ店で研修を受けた時に処方箋は法的に変えてはいけないと習った事があります。
実際は法的には効力がないのが眼鏡処方箋なんです。
薬事法の処方箋は薬に対してであり眼鏡処方箋はあてはまりません。
しかし眼鏡業界に眼科からの眼鏡処方箋の度数は変えてはいけないという規定があるのも事実です。
その為、メガネ店スタッフが眼鏡処方箋の度数を変える事を断るのも間違いではありません。
眼鏡処方箋の度数って変えてもいい?
眼鏡処方箋が出たからといって、別の度数で作ってはいけないという事はありません。
しかし、あくまでも法的に問題ないだけです。
法的に効力がないから何をしてもいいと考えるのが合っていると思う人は「なんだ変えていいんだ」と安易に思われるのかもしれません。
ここでは眼鏡処方箋の度数で作らなくても法的に問題ないですが、勝手に変えない方がいいとも言えます。
眼鏡処方箋の度数は変えない方がいい理由
必ずしも眼鏡処方箋の度数で作らなくてもいいという理由はお伝えしましたが、実際は眼鏡処方箋を眼科で出してもらった場合は、処方箋どおりに作った方がいいです。
②検査員の考えはそれぞれ違う
①医師が決めた度数にはメガネ店ではわからない理由がある
眼科で合わせる眼鏡の度数はよく見える為だけではありません。治療用のメガネなど眼科での検査でしかわからない理由があります。
単純に視力だけで判断すると非常に危険です。メガネ店で行っているのは視力測定です。検眼ではないのです。またメガネ店で医行為を行ってはいけません。メガネ店で近視と言われた、遠視と言われた、というのも厳密にいうとアウトなんです。メガネ店のスタッフが診断をしてはいけません。屈折異常を診断して伝える行為は「医行為」になります。
②検査員の考えはそれぞれ違う
メガネの度数を合わせる場合、検査員の考えによって度数は少し違います。
それはお客様からの聞き取りレベルが違うから、という事もありますが検査員の中でも「これがベター」と考える度数は違います。
処方箋の度数をみて、少し度数を弱くした方が、、、など思う事があっても、その度数に決まったのには決定的な理由がある場合があるのです。
その理由を知りもしないで、別の度数を安易に別の人に相談して変更すると決して良い結果はうまれません。
眼鏡処方箋の度数を変えない方がいい理由の1つでもあります。
これは眼鏡処方箋に限らず、メガネ店のスタッフ同士でも同じ事が言えます。
わざと強めの度数で決定したのに知らないところで度数を弱くされていては検査した意味がなくなります。
まとめ
メガネ店は眼鏡処方箋があっても別の度数で作る事は可能です。眼鏡処方箋に法的効力はありません。
眼鏡業界には眼鏡処方箋の度数を変えてはいけない規定があります。処方箋の度数を変えれませんというメガネ店が間違いの対応ではありません。
眼鏡処方箋とは違う度数でメガネを作っても「法的に」問題ないというだけです。
検査員にはそれぞれ考えがあります。眼鏡処方箋に限らず、他の検査員が考えて合わせた度数を安易に変えるべきではありません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考にしていただけると幸いです。
②眼鏡処方箋の度数は変えない方がいい理由(考え方)