ベテラン検査員を見極めるには〇〇をみるとわかる!

メガネやコンタクレンズをつくる場合、視力検査があります。

数年前から検査をしている検査員、昨日からはじめた検査員、半年前から検査をしている検査員

検査経験はさまざまですが、ベテラン検査員と初心者検査員ではやっぱり検査レベルが違います。

近視の眼は検査をできるが、遠視はまだわからない

近視、遠視は検査をできるが、老視や遠近両用の検査はまだしていない

など、検査員のレベルはさまざまです。

できればベテラン検査員に度数をあわせて欲しいのがお客様心理です。

フレームは新人スタッフと楽しく選んでもいいが、検査はごめんなさい!というお客様も多いのです。

そこでベテラン検査員であるか検査経験が短い検査員か見極めるポイントがあります。

今回は業界歴17年の認定眼鏡士ローシーが考えるベテラン検査員を見極めるポイントについて解説いたします。

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検査員は度数の合わせ方をわかっているだけではできない!

メガネの視力検査は度数を決定するための方法があります。

各メガネ店、眼科によって多少の方法や手順はちがいます。

基本的な考えは同じです。

よくある手順を紹介いたします。

まずはオートレフでお客様の目の屈折データを測ります。(参考度数がでる)

参考度数をもとに度数を決めるわけですが、

まず、完全に矯正した状態の度数を測ります。(完全矯正値)

完全矯正値より強くならないように度数を決定していきます。

お客様の生活状況に必要ない度数は弱めていく、ような感じです。

ここで一番重要な事は完全矯正値が正確にだせているか!

です。

ここで本当の完全矯正値より強い状態を出していると問題です。

少し弱くした状態が本当の完全矯正値より強い場合があるのです。

いわゆる、過矯正という状態です。

非常に眼が疲れます。

視神経にもよくない状態です。

なぜ完全矯正値が間違って出るのかというと、人間の眼は調節するからです。

完全矯正値を出すまでの時間が長いと目が調節した状態で度数がマイナス方向に強くでる事があります。

この調節は大人より子供の方が強く働きます。

そのため、子供のメガネは眼科で合わせた方がいい、という事にもつながっています。

完全矯正値が正確に出せれば視力検査ができるわけではない!

完全矯正値を正確に出す事は最低条件です。

手順はそれほど難しくありません。

1~2時間くらいで研修も終わります。

では完全矯正値が合っている前提でお話しします。

完全矯正値は完全に矯正した状態です。それ以上度数をいれても視力はあがりません。

度数を加えて視力が上がったらそれは完全矯正値ではありません。

完全矯正値より度数を弱く作る場合がほとんどです。

生活状況に合わせて度数を決めていきます。

ここで検査員がお客様の生活状況を聞き出すわけですが、

ここで経験の差がうまれます!

経験の少ない検査員は自分からあまり聞く事がないのです。

何をどれくらい聞けばいいかわからないからです。

しかも検査の順番待ちをしているお客様のことを考えると長々と話し込むわけにはいかないからです。

焦ります。

そこで定番の「車の運転をしますか?」「パソコンはしますか?」というフレーズが出できます。

思い込みで「車の運転があるから強めの度数」「パソコン作業が多いから弱め」など

勝手な思い込みで度数を決定してしまう検査員がいます。

 


 

検査員になるために必要なこと

正確な完全矯正値が出せること。

お客様の生活状況を聞き出せること。

もう一つあります。これが新人検査員にとって一番難しいのかもしれません。

それは、お客様の質問に答える事です。

メガネをつくった事がある人は分かると思いますが、いろいろと質問しますよね?

新人検査員は何を聞かれるか、また答えられるかビクビクしています。

途中から汗かきかきになる検査員もいます。

この汗かきかき状態はある意味、ベテラン検査員との見分けるポイントにもなるかもしれません。

汗かきかき状態はだいたい1週間も検査していれば克服できます。

お客様の質問に対いて「わからない事」は「わからない」と言えるのもベテランです。

医者ではないので答えられない事もありますし、、、

仮に目の病気かな?と思ってもメガネ店の検査員が眼病ですとは言えません。

何かあるといけないから一度眼科で診てもらうことをすすめます。

知識的に未熟かどうかで判断を!

お客様の質問に答える事も検査を重ねることで焦らずに対応できるようになります。

それはどのような事を聞かれるのかだいたい予想がつくようになるからです。

そこで知識的な事に差がでてきます。

遠視と近視では測り方が少し違うのです。

測り方でも「雲霧法」や「クロスシリンダー法」があります。

遠視の度数を測る時は「雲霧法」ではかる事が多い、など検査経験の豊富な検査員であれば考える人もいます。

ここではお客様からでもわかるポイントだけを紹介いたします。

遠視の眼を片目を遮蔽して測る検査員両目を開けたまま測る検査員がいます。

両目を開けたまま測る検査員の方がよりベテラン検査員の確立が高い

目は両目で同時に調節します。片目を隠した時点で調節が行われるのを考えての測り方です。

近視より遠視の方がより度数決定に影響してきます。

新人の検査員の中には遠視の完全矯正値と近視の完全矯正値の考え方を同じと思っている場合もあります

また検査での話し方にもベテラン検査員と新人検査員の差はあります

よくある例として

検査の時、赤と緑の画面を見たことがあると思います。

その時の聞き方です。

赤と緑、どちらが見えやすいですか?と聞く検査員はベテラン検査員ではありません。

赤と緑、色を比べるわけではないからです。

ベテラン検査員はまずそんな聞き方はしません。

赤と緑の中にある二重丸「◎」はどちらが見えやすいですか?

上の段と下の段にあるとしたら出来るだけ見えるのであれば下の段の二重丸◎を比べてもらっている

この少しの「聞き方」で「ミス」が発生する事が多いのです!

だらだら聞いていると最初は緑の◎がよく見えていたのが赤の◎に変わる事もあります。

調節機能です。

ベテラン検査員を見極めるポイント(まとめ)

①汗かきかきではない
 
新人の中の新人はお客様の質問を受けるたびに体が熱くなり汗かきかきになる事がある。

②遠視の視力測定で両目を開けたまま測る検査員

お客様が不安にならないように両目を開けたまま検査する理由を簡単に説明してくれる場合もあります。

③検査中の聞き方が曖昧ではない

赤と緑ではなく赤の◎と緑の◎

見え方の比較として、1番と2番ではなく1番の見え方と2番の見え方

とにかく子供でもわかるレベルのわかりやすい言い方で大人にも接してきます。

誤解のないようない一言つけくわえますが、あくまでも見分けるポイントです。それが出来ていないから新人だ、ベテランではない、というわけではありません。可能性を見極めるポイントとして知っておくといいです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1級眼鏡作製技能士として、またメガネ店のマネージャーとしてサービスを追求してまいりました。 眼科勤務10年目、在職中。空いた時間を活かし、一般用医薬品販売の専門資格の登録販売者試験に合格してセルフメディケーションもバッチリです。