【必見】高価格の遠近両用レンズ、実はそれほど必要ない説!

こんにちは、認定眼鏡士トーマスDです。

安いメガネ店の出現によって、高いメガネ店がいろんな影響をうけています。

・安くていいメガネを手にいてた人は、次も安いメガネ店で買う

・安くても最低なメガネを手にした人は、今度からは高いメガネ店で買う

実際、値段の差は何なのか?

正直、疑問ですよね?

実は絶対こっちがいい!というのはないんです。

しかも「いいレンズが必ずしもいいメガネになる」とは限らないのです!

高いからいいレンズ!安心!というのは単なるプラセボ効果(暗示効果)にすぎない人も多いのです。

今回は、遠近両用レンズについて解説していきます。

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遠近両用メガネってどんなメガネ?

遠近両用メガネとはそのままでいうと「遠くも近くも見えるメガネ」です。

しかし、普通のメガネでも遠くも近くも見えるメガネはあります。

その普通のメガネを「遠近両用メガネ」と勘違いしている40代の人もいます。

普通のメガネで遠くも近くも見えているのは「目の調節力」をつかって見ています。

ここでいう「遠近両用メガネ」は「調節力」ではなく「メガネのレンズの力」を使って遠くも近くも見えるメガネの事です。

大きくわけて2種類あります。

二重焦点レンズ(バイフォーカルレンズ)と累進多焦点レンズ(マルチフォーカルレンズ)があります。

最近の主流のレンズは累進多焦点レンズです。

累進多焦点レンズは遠用部分と近用部分の境目がありません。

境目がないため、周りから見た目は普通のメガネと見分けがつきません。

遠近両用メガネは遠くを見る時は少し顎を引きぎみでレンズの上の方で見ます。

近くをみる時は、少し顎を上げてレンズの下の方で見ます。

 

累進多焦点レンズの値段は様々

遠近両用メガネのレンズは値段の差が激しいです。

1万円のレンズもあれば10万円のレンズもあります。

普通に考えて1万円のレンズより10万円のレンズがいいレンズだと思いがちです。

実際は?

人によっては大差なし、という事も多いのです!

しかしお金に余裕がある人は高いレンズを選びます。

安いレンズは不安、、、高いレンズなら安心!

という安易な考えで数万円を無駄にしている人もいるのです。

大差がない人のパターンは3通りです。

・度数があまり強くない

ベテラン検査員の上手な度数設定

・初心者または下手な検査員が高いレンズの特性を活かせていない

【解説】
遠近両用レンズには遠くを見る度数と近くを見る度数が一枚のレンズで作られています。
遠用度数に対して、近くを見るために必要な度数を加えます。(加入度数)

この加入度数が大きいほど、見え方に揺れや歪みが生じやすくなります。

■度数があまり強くない、加入度数が弱い場合

→度数があまり強くない人、または加入度数が少ない人は「高い最新のレンズ」を使っても、「以前からある安価なレンズ」を使っても大差はありません。

■ベテラン検査員の上手な度数設定

→遠近両用レンズの値段の違いには3つのポイントがあります。

①近用部分の視野の広さ

②揺れ歪みが少ない設計

③レンズの注文時に歪みに対する度数補正ができるレンズなど

ベテランの検査員は揺れ歪みの原因になる加入度数を極力少なくするように心がけるなどレンズ設計に頼らない度数を探します。
この度数設定で安価なレンズでも揺れ歪みが感じにくい状態をつくる事が可能な人が多いのです。
未熟な検査員はこの度数設定があまり上手ではありません。

また、検査で使用しているテストレンズが実際に購入するレンズとは違うものでテストをしている場合が多い。

結局、遠用部と近用部の度数の組み合わせと相性のいいフレームの選定が重要で、高いレンズを使ってもこの組み合わせが悪いと、高いレンズの旨味が引き出せなかったりします。

■初心者または下手な検査員が高いレンズの特性を活かせていない

初心者や下手な検査員は単純に遠用度数をつくり、それに対して加入度数を年齢分加えているだけという場合が多い。
高価な遠近両用レンズには同じレンズでも近方重視のタイプ、遠方重視のタイプから選べたりします。
さらにはレンズ発注の時に度数を補正するための数値を入れるなど高いだけあって色んな事が出来たりします。

しかし、初心者はその特性を活かす事なく「お任せ発注」をして安価なレンズと大して変わらない状態にしてしまっている事が多いのです。

実際、高価なレンズの補正発注ができるメガネ経験者は少ないのです。自信がないから「お任せ発注」、あまり気にしてないから「お任せ発注」というのが現状多いのです。

レンズの性能や機能は高価なだけあって凄いものでも、それを販売するスタッフに能力が足らない事が多いのです。

 

レンズのアイポイントが正確ではない!

遠近両用メガネを作る時はレンズとフレームが決まると、レンズのどの位置に目があるのかを測ります。

このアイポイントは非常に重要です。

しかし、このアイポイントを正確にとれる人が少ないのが現状です。

どんなにいいレンズを使って、いい度数を設定してもアイポイントが正確でないとよい見え方は得られません。

遠近両用メガネについて(まとめ)

遠近両用レンズは高いレンズでも安いレンズでも大差がない場合が多い。

理由は下記3点

・度数があまり強くない(加入度数も少ない)と高価なレンズと安価なレンズにあまり違いがない。

・ベテラン検査員の上手な度数設定で安価なレンズ イコール 初心者検査員の高価なレンズ  という場合もある。

・初心者または下手な検査員が高いレンズの特性を活かせていない。

また、遠近両用レンズの「機能を活かせる検査員」が少ないという現状

レンズメーカーは色んな研究の上、新しい高機能のレンズを開発しています。

しかし、その高機能を活かせるレベルの検査員が少ないのが現状です。

潔いメガネ店は、その高機能のレンズの取り扱いすらしない店もあるのです。

それはお客様に対しての誠意です。

違いが出せないのにお金だけ高くとる事がないようにするお店もあります。

高価なレンズだから見え方がよかった、という人も中にはいます。

高いレンズだったから良い見え方、という場合ももちろんあるのです。

今回は、お値段が高くても安くても見え方に大差がない人もいるというお話でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

1級眼鏡作製技能士として、またメガネ店のマネージャーとしてサービスを追求してまいりました。 眼科勤務10年目、在職中。空いた時間を活かし、一般用医薬品販売の専門資格の登録販売者試験に合格してセルフメディケーションもバッチリです。